ペットの投薬をもっと楽しくするために
安全性に配慮したピルサポートで健康サポートします
こんにちは獣医師の後藤正光です。
私は獣医師として日々犬や猫を診察していますが、常日頃に感じている願いは、飼い主さんが正しい知識を持ち、病気のリスクを減らしながら健康に暮らしてほしいということです。また、万が一病気になってしまった場合には、診察や自宅での投薬を規則正しく行うことが、ペットの生活の質を保つうえでとても重要です。しかし、動物の場合、投薬を行うのは飼い主さんであり、人間に比べて適切に薬を与えるのが難しい場合が多いと感じています。
薬は美味しいものではないため、ペットが嫌がる姿を見て無理に飲ませることをためらう飼い主さんが多いのも当然です。朝の忙しい時間に投薬のための時間を取るのが難しいこともありますし、薬を何とか飲ませたと思っても、後で家に帰ってみると薬が床に転がっているという話もよく耳にします。
薬は毎日飲むものですから、それを包むものが必要であれば、毎日与えても問題のない安全なものである必要があります。そこで私たちが開発した「ピルサポート」は、ペットが喜んで食べてくれる上、使用する材料はすべて安全性が確認された北海道産を使用しています。また、病気の動物に負担をかけないように設計されています。
ピルサポートは、袋の色でたんぱく源を分けています。たとえば、グリーンの袋は北海道産の鶏、ピンクの袋は羅臼産の鮭、青の袋は北海道産の真ダラとブリを使用しています。これらは有名な栄養学書『小動物の臨床栄養学5th』に基づいて、腎臓病や心臓病の療法食と同レベルでナトリウムとリンを制限しています。そのため、療法食を与えているペットにも影響が少なく、安心してお使いいただけます。茶色の袋のピルサポートはナトリウムとリンを制限していない代わりに、粘性が高く嗜好性を高めてあります。
すべての製品は低炭水化物で、脂肪は3%以下に抑えられているため、消化器疾患のペットにも負担をかけにくく、カルシウムやマグネシウムの量も療法食よりもさらに制限しています。ピルサポートはあくまで投薬補助のためのものであり、完全栄養食ではありませんが、おやつとして与えても問題ないように設計されています。
私たちがナトリウムとリンを制限した製品を製造した理由は、これらの栄養素が腎臓や心臓に与える影響を考慮したからです。慢性腎臓病では、リンの過剰摂取が腎不全の進行を加速させる可能性が示されています(文献1〜5)。そのため、腎臓病の療法食ではナトリウムとリンの量が管理されています。
動物も、慢性腎臓病や心臓病を予防し、進行を抑えるためには、食事中のナトリウムとリンの適切な管理が必要です。猫に関する研究では短期的にはナトリウムが血圧や心臓、腎臓に大きな影響を与えないとの報告が多いものの、最近の人やラットを対象とした研究では、ナトリウムの過剰摂取が活性酸素を増やし、血管や内臓にダメージを与える可能性が指摘されています。したがって、猫においても長期的な高ナトリウム食は避けるべきだと考えます。
私の病院では、投薬の際にピルサポートを使用することで、飼い主さんがしっかりと薬を飲ませることができるようになり、投薬管理が安定している症例が増えています。
今後、動物病院内でのケースレポートを不定期に配信してまいります。
ご購読いただけましたら幸いでございます。
獣医師 後藤正光
参考文献
Am J Vet Res 1991. Effects of dietary sodium on renal function in dogs with reduced renal mass
J Vet Int Med 2000. The role of dietary phosphorus in the progression of chronic kidney disease in dogs
Am J Vet Res 1992. Long-term effects of dietary phosphorus and protein in dogs with chronic kidney disease
J Vet Int Med 2012. Sodium intake and its impact on chronic kidney disease in dogs
J Small Animal Practice 2007. Management of phosphate balance in dogs with chronic kidney disease
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