ピルサポートを毎日1-2個与えている猫2頭の血液検査データを記します。2頭とも症状も数値も安定していました(下記グラフ参照)。
症例1. 猫(スコティッシュフォールド)
性別: 避妊済み雌
年齢: 9歳(2021年当時)
基礎疾患・既往症: なし
経過:
飼い主が「朝から元気がなく、動かない、ふらつく、嘔吐している」として夜間病院へ連れてきました。超音波検査により、尿管結石による尿管閉塞が確認され、急性腎不全を発症していることが判明しました。翌日、結石の除去および尿管膀胱吻合術、ステントの設置を実施しました。
手術後、約30日間の血液検査でクレアチニン値がやや上昇(1.76から2.02)していたため、飼い主と相談しました。その際、5-ALAが尿細管上皮細胞に抗酸化作用と抗炎症作用をもたらし、腎臓を保護するというマウスを使った研究(文献1、2)について説明しました。飼い主の希望で、5-ALAサプリメント「エネアラ®」を試すことになりました。
その後、1000日以上にわたり、特に問題なく症状は安定し、腎臓系療法食に頼らず、結石系療法食と「エネアラ®」のみでBUN、CRE、P、RBCの数値も変わらず過ごしています。急性腎臓病から慢性化することを最低限に抑えることができた症例です。2023年5月からは北海道産の鶏「ピルサポート」を1日1個併用していますが、数値に大きな変化は見られていません。
FEBS Open Bio 2019. 5‐ALA/SFC enhances HO‐1 expression through the MAPK/Nrf2 antioxidant pathway and attenuates murine tubular epithelial cell apoptosis.
J Clin Biochem Nutr. 2019. 5-Aminolevulinic acid with ferrous iron improves early renal damage and hepatic steatosis in high fat diet-induced obese mice.v
Komentarji