動物医療の視点から学ぶ“回復できる体”とは? 札幌教頭会新年講演会
- 獣医学博士 獣医師 後藤正光

- 2 日前
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2026年1月21日 札幌市中学校教頭会は新年講演会を開催し、獣医師の 後藤正光 氏が「正しく回復できる体づくり」をテーマに講演した。動物医療の視点から、感染症対策におけるワンヘルスの重要性や、飲水・食事・腸内環境が健康寿命に大きく影響することを解説。特に水道水の安全性、ミネラルウォーター選び、重金属リスクへの注意、血糖スパイクの抑制、食物繊維の重要性などを具体的に紹介した。また、研究成果を商品化して社会に還元する意義にも触れた。講演後の質疑では、参加者から「健康は高コストという印象が変わった」との声も上がり、有意義な学びの場となった。


札幌市中学校教頭会(一関浩会長)は9日、ホテルライフォート札幌で新年講演会を開いた。獣医師で 菊水小さな動物病院 院長の後藤正光氏が登壇し、健康寿命を延ばすための生活習慣をアンチエイジングの視点を交えて具体的に解説した =写真=。
異業種の知見に触れる新春の恒例行事。開会に当たり、一関会長は本年度の重点目標に位置付けた「組織力の向上」をあらためて確認。「心身共に健康で充実した教職生活を送るために、互いに支え合う職場環境を築いていこう」と語った。また、3学期は年度の仕上げに当たり、管理職の真価が試される時期だと強調。「判断に迷う場面で問題に直面した時は、一人で抱え込まず教頭会のネットワークを生かしてほしい」と呼びかけた。
講師を務めた藤原氏は、酪農学園大学獣医学科を卒業後、研修医を経て「菊水小さな動物病院」を開業。犬猫用フードや動物向けサプリメント・菓子の開発にも携わっている。
講演は「動物たちから学ぶ疾患に生きる力」。新型コロナウイルスをはじめとする多くの感染症が動物由来であることに触れ、医師と獣医師が連携して人と動物の健康を守る「ワンヘルス」の重要性を強調した。
「口に入れるもの」が健康を左右する最大の要因として、アンチエイジングの原則にも通ずると指摘。特に飲水に関しては、水道水の水質基準を超える12カ国の一つに日本があると説明し、水道水の安全性の高さを説明した。一方で、市販のミネラルウォーターでも亜硝酸塩を含まない水を選ぶことが望ましいと指摘。「ミネラルウォーターは安全というイメージがあるが、採水地によって成分や特徴が異なる」と述べ、硬度やミネラル分を意識して選ぶことを推奨した。
重金属が人の健康や生態系に及ぼす影響にも注意を促し、ペットフードにも重金属リスクがあると指摘。原材料や産地、製造過程の透明性が重要と強調し「人の食と同様に、何を与えるかが動物の健康を左右する」と語った。
老化の要因の一つになる糖化については、食後の急激な血糖上昇を示す血糖スパイクが血管や老化に影響すると説明。粉状の糖は吸収が早く、食後の急激な血糖上昇を招くと述べた。
進化の過程で腸が免疫機能の7割を担うようになったことに着目。「腸が腸内細菌をコントロールしている」とし、「腸内細菌の考え方を知ると、免疫機能の理解にもつながる。腸内環境の改善が健康寿命の延伸に寄与する」と語った。腸内細菌のエサとなる食物繊維を摂取することで腸内環境が整い、体が温まり基礎代謝が上がると強調。カフェインなどで交感神経を活性化させて、睡眠・休養・栄養摂取を意識することも重要と語った。
さらに「研究は商品として世の中に出して、初めて役に立つ」と持論を展開。自社が開発に携わる動物向けサプリメントを紹介し、学問と実践の橋渡しの重要性を訴えた。
講演後は質疑応答を実施。杉田勝副会長は「これまで健康は、お金をかけて維持するものだと考えていたが、むしろ学ぶことのほうが大切だと感じた。別業種の話を聞く貴重な機会だった」と振り返った。



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